後に国の宝となる男は、任侠の一門に生まれた。
この世ならざる美しい顔をもつ喜久雄は、
抗争によって父を亡くした後、
上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎に引き取られ、
歌舞伎の世界へ飛び込む。
そこで、半二郎の実の息子として、
生まれながらに将来を約束された
御曹司・俊介と出会う。
正反対の血筋を受け継ぎ、
生い立ちも才能も異なる二人。
ライバルとして互いに高め合い、
芸に青春をささげていくのだが、
多くの出会いと別れが、
運命の歯車を大きく狂わせてゆく...。
誰も見たことのない禁断の「歌舞伎」の世界。
血筋と才能、歓喜と絶望、信頼と裏切り。
もがき苦しむ壮絶な人生の先にある“感涙”と“熱狂”。
何のために芸の世界にしがみつき、
激動の時代を生きながら、
世界でただ一人の存在“国宝”へと駆けあがるのか?
圧巻のクライマックスが、
観る者全ての魂を震わせる―― 。